これからの季節、気温はどんどん上昇。キャンピングカーの車内で過ごすにしても、扇風機だけでは結構きつくなってきます。
そんな時に欲しいのがやっぱりエアコン。エンジンを止めていても使えるエアコンが欲しいというのは誰もが思うところでしょう。
キャブコンクラスになると、エアコンが装備されているキャンピングカーもあります。ですが、バンコンクラスだと未装備というのが一般的。
そこで私は昨年、ハイエースのキャンピングカー「Walk2」に「どこでもクーラー」を設置し、使えるようにしました。
エアコンとは違うので、ガンガン冷えるわけではないですけどね。これはこれで使えます。
でもやっぱり、もっと冷えるようにしたい。そこで考え、対策をしたのが、今回の記事となります。
下の絵、実はこれ、「どこでもクーラー」を真上から見たイメージとなります。空気の流れを簡単に書いてみました。
「どこでもクーラー」は、「熱交換器」という仕組みが使われています。「コンデンサー側(熱い方)」と「エバポレーター側(冷たい方)」の空気の流れによって、冷たい空気を作り出す仕組みですね。
上の絵でいうと、「どこでもクーラー」の左側がコンデンサー側(熱い方)で、その後面が排熱ダクト。右側がエバポレーター側(冷たい方)で、その前面が冷気の吹出口となります。
という事は?
「熱い方」と「冷たい方」の空気の流れをきっちりと分けてやれば、もっと効率よく冷やせるという事が想像できます。
今まではその構造を理解せずにDIYを行っていました。(「熱い方」も「冷たい方」も一緒に吸気を行っていた)
だからイマイチ冷えなかった訳ですね。今回はそこを改善していきます。
使ったのは、ダンボールの空き箱を加工したもの。
これを「どこでもクーラー」の右側吸気口(エバポレーター側(冷たい方))に養生テープで取り付け、ダクトにしてやりました。
どうです? 「カット生ずわい蟹」の文字がとってもオサレでしょ?(笑)
本当はもっとちゃんとした物を作れば良いのでしょうが、今回の目的はあくまでも「どこでもクーラーをもっと冷やせるように」する事。
見た目は二の次で作業を行いました。
居住スペースから見るとこんな感じ。カーテンで間仕切りをし、簡易的にコンデンサー側(熱い方)との断熱をするようにしています。
今までと一番違うのは、エバポレーター側(冷たい方)の吸気を居住スペース側に向けた事。これにより、冷たい空気だけが居住スペース内を循環するようになります。
つまり、もっと冷えるようになるという事ですね。(冷たい空気を吸って、さらに冷たい空気を出す)
前述の通り、「どこでもクーラー」には左右2つの給気口があります。この2つの吸気口による空気の流れ(吸気)を物理的に分けてやるのが、改善の一番のポイントとなります。
「コンデンサー側(熱い方)」を室外機、「エバポレーター側(冷たい方)」を室内機とイメージすると解りやすいかもしれませんね。
カーテンと自作のダクトは、その2つの空間を分離する為のものです。
で、吸気と排熱は簡易的に、ドアに被せる網戸経由でやったのですが・・・
排熱ダクトから排出された熱気が網戸で跳ね返ってしまい、思うように排熱できませんでした。
そこで、既に作っていたポリプロピレン製のダクトパネルを加工する事に。今までは排熱ダクト専用のパネルとして使っていましたが、吸気もここから行えるようにしました。
右側の丸い穴が排熱ダクト用の穴(既に空けていたもの)で、左側の四角い2つが今回新たに空けた吸気用の穴です。
この穴に、ダイソーで買った「網戸補修シール」を貼り付けます。
すると?
吸気ダクトの完成。
網戸にする事で、外から虫などが入ってくるのを防ぎます。
それでいて、通気性は抜群。
実際に「どこでもクーラー」を運転させた時の写真が、以下のものになります。外からの空気を凄く吸っているのが分かりますよね。
「どこでもクーラー」の向かって左側に吸気ダクトを設けた事で、コンデンサー側(熱い方)の空気の流れ(吸気)が最短に。
これで、外の新鮮な空気を短時間で「どこでもクーラー」に取り込めるようになりました。反対側の窓を網戸にして空気を取り込むよりも、空気温度の上昇を抑えられます。
因みに、今まで取り付けていた運転席側の網戸は不要になります。ダクトパネルに新たに空けた吸気口だけで事足るからです。
これで熱い空気と冷たい空気、2つの流れを作る事ができました。
あとは実験をするだけ。
週末の晴れた夕方で、開始温度は25.3度。(カーポートの下にキャンピングカーを駐めているので、温度上昇は少なめです)
果たしてここから車内温度を何度まで下げる事ができたのか?
1時間ちょっとほど放置してみました。すると?
ナント! 20.9度まで下がっているではないですか!
たった1時間ちょっとで、5度近くも車内温度を下げる事ができた計算になります。
因みに、テストに使った温湿度計内蔵の電波時計は、「どこでもクーラー」から離れた車両後方部分に置いて測定をしています。
いやあ、それにしても凄いですね。真夏ではないにしろ、1時間ちょっとで5度近くも車内温度を下げる事ができたのですから。
世間一般的には「使えない」と言われている「どこでもクーラー」ですが、工夫次第ではこんなにも「使える」ものになります。
これなら十分、ハイエースナローベースのキャンピングカーで、エアコン代わりとして実用的に使えますね。
“どこでもクーラー激冷え!ハイエースで実用的に使う方法” への3件の返信
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